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トランプの自爆ディール。

2025年7月25日

関税TACOトレード

日本のトランプ関税が15%となる事が決まりました。

市場は15%決着を受けて、ショートカバーを巻き込み、バブリーな様相となっています。世情的にここで買える個人投資家は数少ないかと思います。大口の仕手戦的な先物の踏み上げ相場となっておりバブルを演出している最中と言えます。

TACOトレードというワードが流行っていますが、関税ハードルを上げておいて、その後関税率を緩和する流れで市場のセンチメントを上向きにするのも手伝っていまし、トランプの自作自演的なものでもあるでしょう。

  • TACO・・・Trump Always Chickens Out(トランプ米大統領はいつもビビッて退く)の略語。

しかし、これでトランプ関税は市場が織り込んだとは楽観的には言えません。株式市場は即物的反応ですが、経済的には水面下で着実に不景気のインフレが進行しています。

関税15%としても部品で15%高なので製品でプラス5%〜10%とすると、実質は20%〜30%の製品高となります。20%〜30%高で製品が売れるのかは別問題です。アメリカへの輸出は急減速・アメリカへの設備投資も引き上げる企業も多いでしょう。そこでトランプ関税の各国の政府・企業の対応をみていきたいと思います。

トランプ関税、各国の水面下での対応

トランプ政権の関税政策は、同盟国を含む世界各国に「米国依存のリスク」を認識させ、多極化した経済秩序の形成を促しています。特にBRICSやASEANなどの地域ブロックが台頭し、米国主導の国際経済秩序が揺らいでいる状況です。

1. BRICSや非米主導経済圏との連携強化

トランプ政権が同盟国を含む14カ国に25~40%の関税を課したことで、日本や韓国、タイなどの国々がBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなど)との経済連携を強化しています。特に、トランプ政権が「BRICS加盟国へのさらなる関税上乗せ」を警告したことで、これらの国々は米国依存からの脱却を模索しています。

2. ASEAN域内の経済統合の加速

東南アジア諸国(インドネシア、マレーシア、タイなど)は、米国の関税措置に対抗するため、RCEP等の域内貿易協定強化やサプライチェーンの再構築を推進しています。

例えば、タイは米国からの関税対象となった後、中国やインドとの貿易協定を拡大しています。

 3. EUとインドのFTA交渉の進展

米国の保護主義的姿勢を背景に、EUとインドは2025年内の自由貿易協定(FTA)妥結を目指して交渉を加速させています。これにより、両地域は米国市場への依存度を低下させる戦略を取っています。

4. 中国への貿易依存度の増加

米州諸国(特に中南米)は、トランプ関税の影響で中国との貿易比率を高めており、米国市場からのシフトが顕著です。ブラジルは米国からの50%関税通告後、中国との経済連携をさらに強化しています。

5. 日本の多角化戦略

 日本は自動車関税(25%)や相互関税(25%)の影響を受け、東南アジアやEUとの経済連携を強化しています。特に、自動車産業は米国市場への依存を減らすため、新興国市場への進出を加速させています。

6. 米国債の信認低下とドル離れ

関税政策による米国の財政赤字拡大やインフレ懸念から、一部の国では米国債の保有を減らす動きが出ています。ロバート・ライシュ元米労働長官は、「関税政策が米ドルの覇権を終わらせる可能性がある」と指摘しています。

企業の対応

トランプ政権の関税政策(特に2025年1月の2期目就任後の一連の措置)に対し、企業レベルでも「アメリカ離れ」の動きが加速しています。以下に具体的な事例を整理します。

1. 日系自動車メーカーの北米戦略転換

  • トヨタ自動車:米国向け自動車関税(25%)の影響を受け、テキサス州の新工場計画を凍結し、メキシコやカナダ(USMCA圏内)での生産拡大を優先。
  • ホンダ:米国向け電気自動車(EV)の生産をオハイオ州からメキシコにシフト。関税回避のため、USMCAの原産地規則を活用。

2. アパレル・スポーツブランドのASEAN拠点見直し

  • ナイキ:ベトナムからの米国向け輸出に45%の関税が課されたため、生産の一部をインドネシアやバングラデシュに分散。ベトナム工場の稼働率を30%削減。
  • アディダス:ベトナム拠点で生産した靴類の米国向け出荷を停止し、EU市場向けに集中。

3. 電子機器メーカーのサプライチェーン再編

  • サムスン電子:ベトナムのスマートフォン工場で米国向け生産を縮小し、インドや韓国国内での生産比率を向上。
  • アップルサプライヤー(Foxconnなど):ベトナムでのiPhone組み立てラインをインド・タミルナドゥ州に移管。関税リスクを回避。

4. 家具・小売業の調達先多角化

  • ニトリ:ベトナム製家具の米国向け輸出が36%関税の影響で採算割れし、メキシコとマレーシアに新工場を建設。
  • Wayfair(米国オンライン家具小売):ベトナム・タイ産家具の調達を中止し、ブラジルとポーランドからの輸入に切り替え。

5. 半導体・医薬品の国内回帰・地域分散

  • TSMC(台湾):アリゾナ州の工場計画を縮小し、日本・熊本県での生産能力を倍増。関税よりも地政学リスクを重視。
  • 武田薬品:米国向けジェネリック医薬品の生産をアイルランドからシンガポールに移管。関税対象品目からの脱却を図る。

6. 越境EC企業の市場シフト

  • 楽天市場:米国向け小口商品(800ドル以下)の免税特例(デミニミスルール)撤廃後、EU・東南アジア市場へ重点移行。
  • ZOZOTOWN:関税転嫁による価格競争力低下を受け、米国向けアパレル販売から撤退。

背景と今後の見通し

企業の「アメリカ離れ」は、単に関税回避だけでなく、以下の要因も影響しています。

  • サプライチェーンの強靭化:特定国依存のリスク分散。
  • 地域経済圏の活用:USMCA(メキシコ・カナダ)、RCEP(アジア)での関税優遇。
  • 消費市場の多角化:米国依存から新興国(インド、東南アジア)への販路拡大。

トランプ関税が継続する限り、企業の戦略転換はさらに加速すると予想されます。特に自動車・電子・アパレル産業では、2025年末までに20%以上の企業が米国市場からの撤退または縮小を検討しているとの調査もあります。

邪推「自爆屋トランプ」のディール

ここからは、あくまでも私の推測ですので聞き流してください。

トランプの悪手「関税によるGDP増政策」が、どう考えても、スタグフレーション(不景気と物価高)に行きつくという事を述べました。そこで本人トランプ自身はどう考えているか。

  • 「関税によるGDP増政策」を本気で良い政策だと考えていて、自分の信念のもと遂行している。
  • スタグフレーションになる事はわかっていて、上位のものの指示のもとディールを演じている。

私は後者が濃厚だと考えています。

上位のものの指示のもと、自作自演でアメリカ経済を自爆しているように感じています。

世界をスタグフレーションにしたい・分断したい上位の者がトランプを操っていると。

トランプのXの発言もトランプではない誰かがアルゴリズム的に呟いている感じもしています。

逆にトランプには何のメリットがあるのでしょうか。単に負け役(失敗役)を引き受けているだけではないでしょう。今後、世界の米軍引き揚げでノーベル賞とかもあり得ますし、役目を遂行するのと引き換えに私腹を肥やしている事もあるのではないでしょうか。トランプ自身の発言やつぶやきでプットオプションやコールオプションや先物で巨万の富を得ているのではないかと邪推しています。

その位の見返りがあってはじめて「自爆屋」としてのディールに価値があると・・・・あとはキャラを演じ続けていく・・・

自爆屋トランプの真のディール

  • 世界的スタグフレーション
  • 関税で財政赤字補填↔米国民貧困化
  • ドル安ドル離れ
  • アメリカ外し・モンロー主義
  • 経済覇権を中国へ
  • BRICS経済圏との乖離鮮明・ドル需要減
  • 世界的米軍縮小
  • →最後に利下げでも行うのでしょうか。

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