API度数🛢️
原油のAPI度は、アメリカ石油協会(API)が定めた原油の比重を表す指標であり、石油の性質を評価する基準です。API度は、比重との関係を以下の式で定義しています:
API度 = (141.5 ÷ 60°Fにおける比重) - 131.5。
この値が高いほど原油は軽質(ガソリンなど軽い製品が多く得られる)であり、低いほど重質(重油など)です。
API度による原油の分類
- 特軽質原油:API度 39.0以上(比重 0.8017未満)
- 軽質原油:API度 34.00~38.99(比重 0.8017~0.829)
- 中質原油:API度 30.00~33.99(比重 0.830~0.903)
- 重質原油:API度 26.00~29.99(比重 0.904~0.965)
- 特重質原油:API度 26.00未満(比重 0.966以上)
傾向
- API度が高いほど価値が高い:軽質原油は精製しやすく、ガソリンや軽油などの需要が高い製品が得られるため、市場価格が高くなりがちです。
- API度が低いほど、不純物が多く複雑な精製が必要となる。(傾向として硫黄分や硫化水素の含有量が多く、脱硫処理が必要)
1. 🇺🇸 米国 (WTI) API 39~41°
• 軽質でスイートな原油
• 精製が非常に容易で、ガソリンとジェット燃料の収率が高い。
2. 🇬🇧イギリスBrent原油(英国産)API 38.5°
・低硫黄(0.40 wt%)
3. 🇮🇷 イラン (イラン・ライト) API 33~36°
• 中軽質原油
• イラン・ライトは、多くの製油所が設計されている中軽質範囲に近い。
3. 🇸🇦サウジアラビア産 (Arab Light):API 33.0°
・硫黄含有量1.83 wt%
4. 🇷🇺 ロシア (ウラル) API 30~32°
• 中硫黄質原油
• より高度な処理が必要となる。
5. 🇧🇷マリム原油(ブラジル産)API 19.0°
・硫黄含有量0.78 wt%
6. 🇻🇪 ベネズエラ (メレイ / オリノコ) API 15~16°
• 重質原油
• 濃厚でタール状であり、複雑な精製が必要となる。
中東の「中質油」は「軽質油」で代替出来るか?
イラン産原油・サウジアラビア産原油は、超軽質の米国シェールと重質のベネズエラ原油の中間に位置します。
仮にホルムズ海峡からの供給が途絶えた場合、製油所は超軽質の代替原油に切り替えれば良いという単純な話ではありません。実は中東の中質油は世界中の多くの製油所と高い適合性があり、軽質油に切り替えた場合、製油所の効率を著しく悪化させます。
①生産効率低下+コスト増
- 製油所は、今までと違う「慣れない油種」を突っ込まれると、極端に精製効率が落ち、「油種のミスマッチ」が起こる。通常と違う粘土のために時間もかかり、精製ラインを改変しなければならない。
- 軽質油への切り替えはコストと時間を爆発的に増加させ、そのコストは価格に転嫁せざるを得ない。中小の製油所は大手に買収再編されるかもしれません。
②製品バランスのミスマッチ
- 中東原油(Arab Light):ガソリン・ナフサ約40〜45%、軽油・灯油などの中間留分がバランス良く出る(日本の需要に近い)。
- シェールオイル:軽質分が極端に多く(ガソリン・ナフサ50〜60%以上)、重質残渣や中間留分が少ない。
- 日本の国内需要(ガソリン+灯油・軽油のバランス悪化)や輸出向け製品構成に合わず、余剰軽質品の在庫調整や不足中間留分の輸入が必要になり、追加物流・調整コストが発生する。
➤上記の理由から中東原油(中質)は黄金比と言われてきました。エネルギーの行方は、量や価格以上に、この「原油の質への依存度」に支配されています。
世界のトップ10石油精製/エネルギー企業(最新売上高:10億ドル)
1️⃣ 🇸🇦 サウジアラムコ — 4,346億ドル
2️⃣ 🇺🇸 エクソンモービル — 3,983億ドル
3️⃣ 🇨🇳 中国石油天然気集団公司 — 3,727億ドル
4️⃣ 🇬🇧 シェル — 3,454億ドル
5️⃣ 🇬🇧 BP — 3,221億ドル
6️⃣ 🇫🇷 トータルエナジーズ — 3,052億ドル
7️⃣ 🇺🇸 シェブロン — 2,968億ドル
8️⃣ 🇷🇺 ガスプロム — 2,745億
9️⃣ 🇷🇺 ロスネフチ — 2,637億
🔟 🇺🇸 バレロ・エナジー — 1,480億