インフレ・スタグフレーションに強い資産は?

2024年10月14日

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インフレとは?

「インフレ」とは「インフレーション」を略した言葉で、商品の値段(物価)が上昇傾向になることを指します。インフレでは、ある商品を購入するためにより多くのお金が必要となるため、「商品の価値」が上がり「お金の価値」が下がる状態です。インフレになる原因には、政府の財政政策などが挙げられます。たとえば減税政策が実施されると、人々にお金の余裕が出てくるでしょう。すると貯蓄せずにお金を使う人が増えやすくなります。この状態になると値段が高くても商品が売れるので、ますます物価は上がり、お金の価値は下がります。

逆に「デフレ(デフレーション)」は、物価が下落傾向になることです。需要と供給のバランスが崩れ、需要が落ち込むと、企業は商品の価格を下げるしかありません。これにより、「商品の価値」が下がり「お金の価値」が上がる状態が生じます。

インフレ・円安を引き起こす要因

インフレや円安が経済に及ぼす影響は大きく、その要因を理解することは重要です。
ここでは、インフレや円安を引き起こす主な要因について以下の表にまとめました。

上記以外にも、さまざまな要因が考えられます。インフレと円安は複雑な問題であり、それぞれの要因が互いに影響し合い、悪循環を生み出す可能性があります。

良いインフレ・悪いインフレについて

インフレという現象自体に「良い・悪い」はありません。ただインフレは、それが起きる状況や条件に応じて、良い影響・悪い影響を社会に及ぼします。たとえば一般に、インフレでは金利が上昇しやすくなるため、預貯金額は増えやすくなります。しかし、その金利上昇以上のスピードで物価が高騰していくと、預貯金の価値は低下します。

このようにインフレは、金利や物価などさまざまな要素が関連した総体的な傾向として、社会に影響します。そこでここでは、「良いインフレ」「悪いインフレ」と大別して理解され得る代表的な傾向を紹介しつつ、それぞれの特徴を整理します。

良いインフレの状態(好況時のインフレ)

一般にインフレは、景気が良くなるとインフレが起きやすくなります。以下のような流れが一般的です。

  1. ①需要が供給を上回り、商品、サービスおよび通貨の流通量が増える
  2. ②商品の値段が上がる
  3. ③企業の収益が増える
  4. ④企業が従業員に対し、賃金の形で収益を還元する
  5. ⑤従業員、ひいては社会全体の経済力が上がり、消費が活発化する

このように、インフレが良い形で循環していくと企業も潤うので、新規事業に参入したり、雇用につながったりなど企業活動が活発になります。そうすると、より景気の良い社会となり、国全体が豊かになります。また一般に、景気が過熱すると金利を引き上げる金融政策が取られます。金利が上がれば当然、借り入れをしている企業の融資利息が増えます。流通している通貨の量を減らし、インフレの過熱を抑制することが、この金利引き上げの目的です。さらに、通貨「円」が多く流通し過ぎているため価値が下がり、円安傾向になります。円安では輸出業が有利になり、海外からの観光客も増えやすくなるため、企業は業績アップなどのメリットを享受できるでしょう。

悪いインフレの状態(不況時のインフレ)

先述の「良いインフレの状態」は、以下の条件すべてが当てはまることが前提です。

  • 需要が高くなり、お金の流通量が増える
  • 物価が上がる
  • 賃金が上がる
  • 消費が増える

しかし物価上昇の原因が、需要増やお金の流通量に関わることではなく、「原材料費の高騰」などであるなら、悪いインフレに陥る可能性が高まります。物価ばかりが上昇しても、需要が低いままなら商品は売れません。また、企業の儲けが増えなければ従業員の賃金も上昇しないため、消費も冷え込みます。物価が上がり続けるだけのインフレ状態では、実質的には、庶民の生活が苦しくなるだけです。

こうした不況下における悪いインフレのことを、「スタグフレーション(Stagflation)」と呼びます。

「スタグネーション(Stagnation/景気の停滞)」と「インフレーション(Inflation/物価の上昇)」をあわせた用語で、不景気にもかかわらず、商品やサービスの価格が上がり続けることを指します。まさしく1970年代に起きた「オイルショック」も、スタグフレーションの一例です。

インフレに強い資産・スタグフレーションに強い資産

資産クラスインフレーション下スタグフレーション下
現金現金・銀行預金↙️↙️Down↙️↙️↙️Down
金融資産保険↙️Down保険はインフレに弱↙️↙️Down保険はインフレに弱
債券(国債・社債)↙️Down債券はインフレに弱↙️↙️Down債券はインフレに弱
株式↗️UP資産インフレ↙️Down一部株式(公益株等)は強い状況か
コモディティETF等↗️UP資産インフレ↗️UP景気悪化との天秤
エネルギーETF等↗️UP資産インフレーFratー景気悪化との天秤
金ETF↗️↗️UP資産インフレ↙️Down景気悪化で頭打ちか
外貨(ドル)↗️UP資産インフレ↗️UPドルの動き次第か
仮想通貨↗️UP資産インフレ↗️↗️↗️UP不換紙幣のカウンター効果
現物貴金属現物↗️↗️UP資産インフレ↙️Down景気悪化共に需要減
ハイブランド品↗️↗️UP資産インフレ↙️Down景気悪化共に需要減
アンティーク品↗️↗️UP資産インフレ↙️Down景気悪化共に需要減
不動産↗️UPインフレ↗️UP需要減との天秤か
エネルギー↗️↗️UPインフレ↗️UP需要減との天秤か
食料↗️↗️UPインフレ↗️↗️↗️UP最後まで食の需要あり

現金・銀行預金

現金はインフレが起こると、現物(例えばコメ・ガソリン)に対して弱くなります。現代の紙幣はドルでさえ不換紙幣(金や銀とリンクしていない通貨)なので、インフレが起こるとその状況は顕著になってしまいます。当然、預金の利率もインフレ率を下回る状況となるため、他の資産への分散投資が推奨されます。

保険

保険は基本的に契約時に決定された金額が固定のため、インフレが進行すると実質価値が目減りします。固定給付金のイメージです。また契約が長期になる商品が多いのでインフレリスクを受けやすいと言われています。

債券

債権は基本的に発行された利回りに固定されるため、インフレが進行すると実質の利回りが低下するため、インフレには弱いと言われています。

株式

株式はインフレになると、原材料費や人件費が企業の経営を圧迫しますが、コスト分を価格に転嫁でき売り上げも上がりさえすればインフレの影響は一時的となります。一方で対現金にたいしては資産インフレ状況で株価が上がりやすい状況となります。中央銀行の政策(緩和的な政策)によってはバブルチックな場面もあります。ただ、スタグフレーション下では企業の売り上げが頭打ちとなり、投資家のマインドも防衛的になることから、弱含みます。(一部公益株等はスタグフレーション下でも強含むと言われています)

コモディティーETF・エネルギーETF・金ETF

インフレ時は対現金にたいして資産インフレ状況で上がりやすい状況といえます。ただスタグフレーション下ではインフレvs景気悪化との天秤状況になるため、それほど強い状況とはならないと筆者は考えています。

外貨

自国通貨が弱いときは、外貨(ドル)に換えておくほうが良いでしょう。ただ為替は相対的な取引なので為替(米ドル/円)がどのような動きになるかを金利状況から考えていくことが重要です。

仮想通貨

仮想通貨もインフレ時は対現金にたいして資産インフレ状況で上がりやすい状況といえます。スタグフレーション下ではインフレvs景気悪化との天秤状況になりますが、貴金属ほどには弱含みはしないと考えています。逆に不景気時に通貨安が進むことにより、不換紙幣のカウンター通貨効果でかなり上がるかなと見ています。これは筆者の意見なので賛否両論あるかと思いますが、一時的に下がる状況になったら買っていきたいと思っています。

貴金属・ハイブランド品・アンティーク品

貴金属(金含む)やロレックスやアンティークコインなどは、インフレ状況下では金余りで資産インフレになりやすく、バブルチックな場面にもなりやすいです。ただ逆にスタグフレーション下では景気悪化による購買力低下で価値が目減りしやすいです。高級品に属しているので尚更その状況が顕著に出やすいと見ています。

不動産

不動産は現物資産であることから、インフレには強いと言えます。ただスタグフレーション状況下では、空室リスクや購買力低下もあるためリスクもありますが、物理的な現物資産であるため、長期的にはインフレ強い資産と言われています。

現物エネルギー

現物のガソリン価格等はインフレ時にはダイレクトに価格に転嫁されます。スタグフレーション下ではインフレvs景気悪化との天秤状況になるため、見通しは難しいです。コロナショックの時は需要減速が意識され石油価格が急低下しました。

現物食料

現物の食料はインフレ時にはダイレクトに価格に転嫁されます。スタグフレーション下ではインフレvs景気悪化との天秤状況でも、食料だけは人間にとって無くせない物なので、一部高級食品等を除き、価格は上がり基調となります。

まとめ

基本的に筆者の考え方をまとめたものです。

ただ上記の状況の中において、「中央銀行の政策」は加味されておりません。

例えば【インフレ時に早期利上げをした場合】【不景気時に一時的に緩和的な政策をした場合】は

上記のような値動きにならない事も考えられます。あくまでもごく一般的な見方として参考としていただければ幸いです。

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