正常な家族などない。
家族/子供の心理的行動パターンにおいて、正常な家族とはどのようなものか、子供は何かしらの影響を家族から受けるのですが、全てが機能不全家族だかという訳ではなく、それほど極端な例ではない事もあるでしょう。
完璧な家族像というものがある訳ではありませんが、究極は人間の事を理解する事だと思います。(私見∶強いて言うなら完璧な家族は最初の家族∶アダムとイブだと思っています。)
そこで、親としては認識しておいたほうが良いので、心理学的「正常な家族」像をあげてみました。
機能不全家族と対比される健康的な家族とは?
機能不全家族と対比される「健康的な家族」(正常な家族)は、家族が安心して成長できる環境を提供し、健全な心の発達を支えるシステムを持っています。以下に具体的な特徴を解説します。
1. 健全な家族の特徴
① 安全な愛着(アタッチメント)の形成
具体的な対応は?
- 子どもの感情に共感的に応答する(例:泣けば「どうしたの?」と受け止める)。
- 一貫した養育(態度やルールが極端に変わらない)。
成果∶子どもは「自分は受け入れられている」という基本的信頼感を育む。
② 境界線(バウンダリー)の明確さ
具体的な対応は?
- 親と子が別の人格として尊重される(例:親の愚痴を子どもに聞かせない)。
- 個人のプライバシーや意見が守られる(「NO」が言える環境)。
③ オープンなコミュニケーション
具体的な対応は?
- 感情や意見を否定されずに話せる(例:「怒ってはいけない」ではなく「なぜ怒ったの?」と尋ねる)。
- 対立があっても、攻撃せずに解決を模索する。
④ 柔軟な役割分担
健康的な家族の役割分担
- 役割(例:家事・意思決定)が固定的でなく、状況に応じて柔軟に変化する。
- 機能不全家族との違い
- 「良い子」「世話役」などのラベルが貼られず、子どもが等しく成長できる。
⑤ 健全な問題解決能力
具体的な対応は?
- 問題を過小評価せず、また過剰に悲観せずに対処。
- 外部のリソース(カウンセラー等)も活用できる。
2. 正常な家族が育む「心のスキル」
健康的な家族で育った人(必ずしも「完璧な家族」ではない)は、以下の能力を自然に学びます。
- 自己肯定感: 「ありのままの自分」に価値を感じられる。
- 感情調整力: 怒りや悲しみを適切に表現できる。
- 対人スキル: 親密さと距離のバランスを取れる。
3. 誤解されやすいポイント
① 「正常=完璧」ではない
- 健康的な家族でも喧嘩やミスはあるが、修復プロセスが存在する。
- 例: 親が子どもに誤った対応をしても、後で謝罪し関係を修復する。
② 経済力や家族形態とは無関係
- シングルペアレント・共働き家庭でも、上記の特徴があれば健全と言える。
③ 世代間連鎖の予防
- 機能不全家族で育った親も、意識的な努力で健康的な家族を築ける。
4. 健全な家族を「作る」ために
もし自身が機能不全家族で育ち、新しい家族モデルを望む場合:は?
1. 気づき: 自分の家族のパターンを客観視する。
2. 学習: 健全なコミュニケーション法(例:アサーション)を学ぶ。
3. 実践: 小さなことから変更。(例:子どもに謝る練習)
健康的な家族は、メンバーが「安心して弱さを見せられる場」です。完璧さではなく、互いの成長を支える「適度な柔軟性」が鍵かもしれません。
**参考になる書籍・リソース**
- 『家族の絆を深める7つの習慣』(スティーブン・コヴィー)
- ボウルビーの愛着理論: 健全な愛着スタイルについて学べる。