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戦時経済に進むEU

2025年12月21日

EUがロシアの資産を無期限凍結しました。(2025年12月12)約38兆円。

無期限凍結の背景

  • 2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻直後、EUはロシア中央銀行の資産を凍結しました。これらは主に証券や現金で、EU域内の金融機関(特にベルギーのEuroclearが約1850億ユーロ、他の機関で約250億ユーロ、合計約2100億ユーロ(約2460億ドル)=38兆円)で保管されています。
  • 当初、この凍結は制裁措置の一環で、6ヶ月ごとにEU全加盟国(27カ国)の全会一致で更新するという事でしたので、EU内でもハンガリーやスロバキアなどのロシア寄り国が拒否権を発動する可能性がありました。

緊急条項発動

2025年12月12日、EUはEU条約の緊急条項(Article 122)を発動し、ロシア中央銀行の資産を無期限に凍結(immobilise)することを決定しました。

これにより、6ヶ月ごとの更新が不要になり、資産は「ロシアがウクライナに対する侵略戦争を終了し、損害を賠償するまで」凍結されたままとなります。

EUの緊急条項(Article 122)

  • EUの緊急条項とは、EU機能条約(TFEU)の第122条を指します。これは、深刻な経済困難や緊急事態が発生した場合に、EU理事会が迅速に措置を講じるための規定。
  • 通常の制裁措置との違い
    • 通常の制裁処置∶ロシア資産凍結などは、27加盟国の全会一致が必要で、6ヶ月ごとに更新。
    • 第122条を発動すると、特定多数決(加盟国の55%以上でEU人口の65%以上を代表)で決定可能。欧州議会の関与も不要なため、少数の反対する国がいても強硬に決定できる。

ハンガリー(オルバーン首相)やスロバキアはここ最近、EUの決議に反対する事が多くなっていた。一方、EU理事会大統領のアント・コスタ氏は、「ロシアが戦争を終結し、損害を補償するまで資産を動かさない」と強硬姿勢を示し、凍結資産を活用したウクライナ支援計画を積極的に推進しています。

凍結資産の活用(Reparations Loan)

押収したロシアのお金がどうなるかという事ですが、EUで取決めされようとしている内容が以下です。

  • 現在、凍結したお金はユーロクリアという団体が管理している。
  • 各国政府はウクライナへの援助という形で武器等の購入費用として、ウクライナへ大規模融資を行う。今までは凍結資産の利息分でのみで融資していたが今後は資産本体を融資枠に適用。
  • 最終的にウクライナが返せなければ、ユーロクリアの担保金から支払われる形となっている。
  • 「補償ローン(reparations loan)」と呼ばれているものは、初めにEUがユーロクリア(Euroclear)から資金を借り、ウクライナに貸与する形もある。

昔から、戦争時の金策は凍結資産を利用している例が多いのが実情で、今回も同じような動きとなっています。

ただウクライナはロシアが戦争賠償を支払うまで返済義務を負わず、実質的に無償支援に近い。

対象:2026-2027年のウクライナの軍事・民政予算支援。

これまでEUは凍結資産の利益(windfall profits)のみをウクライナ支援に充てていましたが(2024年で約37億ユーロ)、今後は資産本体を活用する方向。

ただし、資産の完全没収(confiscation)ではなく、所有権はロシアに残る形(国際法上の主権免除を考慮)と言われているが、戦争になったら話は別という事は幾らでも過去にあります。

反対・懸念と現状

この凍結資産の融資・担保の扱いを巡りロシアは勿論EU内でも懸念が多くどのようになるかは今後の展開次第です。

  • ベルギー:Euroclearの本拠地として、法的リスク(ロシアの訴訟)を強く懸念。全加盟国による完全な負担共有と保証を要求。
  • イタリア、ブルガリア、マルタなど:法的根拠の弱さを指摘し、代替案(EU共同借入)を主張しています。
  • 12月18-19日のEU首脳会議:この融資計画の最終決定が焦点。合意の可能性は「50-50」との見方もあり、ベルギーの抵抗が残っています。

凍結資産活用に対するロシア側の反応

ロシア中央銀行は即座にEuroclearをモスクワ裁判所で提訴(損害賠償請求額約2300億ドル相当)。ロシアはこれを「違法」「主権免除違反」と非難し、報復措置を警告(EU資産の押収など)。プーチン大統領は「盗み」と批判。

この決定は、EUがロシアへの圧力を強め、ウクライナ支援を長期化する重要な転換点です。一方で、法的・外交的リスクが高く、国際金融市場への影響も懸念されています。

ユーロクリアの破綻懸念

戦争には経済混乱が不可欠なので、ユーロクリアの破綻もあり得ます。破綻すれば、各国政府(日本含む)も融資が回収できなくなるので、かなりの経済混乱・経済疲弊が起こり、戦争プロパガンダが跋扈する時代に突入という事になります。

ロシアにとっては、盗まれた資産で武器を購入され、挙句の果てに資産が戻らないとなれば、引く事(停戦)は不可能になるでしょう。EUにとっては、凍結資産に手をつければ、対ロシア政策が緩和して和平に戻る選択肢が限りなくゼロになる事をになります。

世界状況

EUは左派政権が対ロシア戦時経済に突き進み、アジアでは高市政権(右派)が中共に吹っ掛けている状況です。一般大衆にとっては右も左も関係ないですが、世界的にはあきらかに意図的なものと言えるでしょう。

その一方アメリカは何をしているかと言えば、関税交渉の対米投資枠を使い世界的に(アラブ・アジア・EU)データセンターを量産し、軍事的には西欧先進国には一線を引き、イスラエルには異常に関与し、資源国(ベネズエラ・ナイジェリア)には引き続き吹っ掛けている状況です。

世界的には第二次大戦前と似た状況になっていますが、大戦前と違うのはイスラエルという国が既に在るという事です。

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